私がグループホームで介護職員として働き始めてから、2年半が過ぎようとしています。音楽ボランティアとして月に1回ほど訪問していた頃に比べると、週に3日は勤務するようになり深く関わっています。もちろん音楽ボランティアも続けています。
グループホームの説明は、私の勤めているグループホームのパンフレットから抜粋します。
『グループホームは、平成12年度から開始された「介護保険制度」によって、新たに始められた介護保険事業です。入居できる方は、介護保険の適用を受けられる介護を必要とする認知症状態にある方です。施設では家庭的な環境のもとで食事・入浴・排泄その他生活上の世話及び介護を行うことにより、利用者がその能力に応じ自立した日常生活を営むようにします。
入居者は5人以上9人以下と定められており、何よりも家庭的な雰囲気による温かい介護が求められています。』
入居者は全員認知症です。今月1名亡くなられたので今は8名ですが、また新たに入居されるかもしれません。
認知症といっても様々なレベルがあります。元々の個人的性格も違います。既に寝たきり状態で全ての生活に介護が必要な方、自分で動けても食事や排泄、入浴が一人ではできない方、親兄弟や子供の名前もわからない方、暴力的になり乱暴や暴言が絶えない方。
そして自分の洋服のボタンを外して口に入れてしまったり、トイレットペーパーを外して体に巻きつけてしまったり、自分の便をいじってしまったり、真夏なのにたくさん着込んで大汗をかいたり、大声でわめき続けたり、トイレ以外のところで排尿や排便をしてしまったり。思いがけないことをします。でもそれが認知症なのです。
人間の脳とはここまで壊れるものか!と驚きます。ご家族も無念だと思います。ご本人は今までの記憶や前後の記憶が曖昧になってしまっているので、自分が病気であることがわからない場合がほとんどです。この状態の人を家庭で家族だけで世話するのは無理があるでしょう。24時間プロのスタッフが見守ってお世話している施設だから安全に過ごせているのだと思います。スタッフの皆さんは毎日頑張っています。キツイ(支えたり、抱き上げたり、大変です)、キタナイ(排泄のお世話は大変です)、キケン(ひっかかれる、殴られる、蹴られるなど)の3K仕事です。みんなで協力して入居者を見守り、介護しています。私はそんなスタッフのお手伝いをしながら、色々と学ばせていただいています。音楽教室の仕事をしていら頃とは全く違った生活ですが、人間に関わるという点からは共通です。
グループホームで働くまで、話には聞いていたけれど実態は知らなかった認知症。
本当に大変な病気です。
認知症の高齢者の介護に疲れた家族が事件を起こしてしまうニュースを知るたびに、辛い気持ちになります。グループホームに入居できる人は限られています。経済的に余裕が無いと、無理でしょう。認知症の家族が居ても、家庭が崩壊しないような制度が必要ですね。優秀な介護職員を育成するシステムをもっと増やし、賃金を上げて、高齢化社会に向かって行かなければ、、、と思います。
自分が認知症になってしまたらどうしよう・・・?
そろそろ子供にきちんとした遺言を書いておかなければと思うようになりました。
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