2019年1月28日月曜日

1/26 sat. 武藤剛史先生の最終講義

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久しぶりに私が卒業した大学に行ってきました。
地下鉄神保町からすぐの本館の玄関から入ろうとすると、「どういうご用件ですか?」と守衛さんに声をかけられました。昔と変わっていません。大学内に入る時に必ずチェックがありました。

最終講義に出席する方々の記帳の列が長く続き、開始が少し遅れるほどでした。
70歳になられる武藤先生は私が学生の頃と同じように小さな声で、シャイで、穏やかでした。目を閉じてお声を聴いていると、学生の頃の気持ちに戻ります。
私が4年生の時に新任で来られたので、実際に講義を受けたことはありませんが、卒論を書く時に参考になる書物を貸していただいたことがあります。それから研究室助手を務めていた1年間は、毎日のようにお目にかかってお話ししていました。結婚式にも出席していただきました。

講義の最後に学生から花束贈呈

お年賀状は必ずやりとりしていましたし、私の息子のダンス公演にも何回かご招待し、奥様と観にきて下さいました。そしてお礼に素敵な絵葉書を下さいました。

武藤先生のご専門のプルーストについて改めて講義を拝聴し、その思想や芸術論に触れて、感動しました。些細なことに右往左往しないように生きていきたいと思わせられる講義でした。配られた講義資料と、卒業生に下さった先生の最新翻訳書は大切な宝物です。

講義が終わった時に、わざわざ教壇から降りて私に「遠くから来てくださって、ありがとうございました」と声をかけてくださいました。

先生は退官されてからもきっとこのままの学者でいらっしゃることでしょう。
現代社会の中で、先生のような学者の中の学者は少ないように思います。共立女子大学文芸学部の文字通り「文学と芸術」そのものの講義が終わってしまうのは、残念ですね。機会があったらまたゆっくりお話ししたいと思いました。

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